新製品まとめ

Fractal Audio AM4 とは|Axe-Fx IIIの音を17万円で。初めてFractalを試す人への最適解と、TONEXとの違い

公開:2026年9月7日 更新:2026年9月7日 エフェクターまとめランキング 編集部

この記事は実機未使用です。メーカー公表値と一次情報をまとめた内容で、音の評価は含みません。

Fractal Audio SystemsのAM4は、国内価格176,000円(税込)。Axe-Fx III・FM9・FM3と並ぶ現行ラインナップの中でいちばん安く、いちばん小さいモデルです。中身はAxe-Fx IIIと同じコアアルゴリズムなので、「Fractalの音を一度試してみたい」という人にとっては、これ以上ない入口になりました。この記事では、シリーズ内での位置づけ、TONEX Boardとの比較、そしてキャビネットシミュレーションの考え方の違いを整理します。

Fractal Audio Systems AM4

Fractal Audio Systems

AM4

想定価格 ¥176,000(税込)

メーカー公式ページ

まず動画で音を聴く

国内正規代理店のオカダインターナショナルが公開している演奏動画です。菰口雄矢さんがAM4だけで弾いています。仕様を読む前に、まずこれを聴いてください。

Fractal Audio Systems "AM4" performed by 菰口雄矢出典:Okada International(国内正規代理店)(YouTube)

Fractalの現行ラインナップの中でどこにいるか

Fractalは製品が多くて分かりにくいので、先に全体を並べます。国内正規代理店(オカダインターナショナル)の価格です。

製品形状フットスイッチ国内価格(税込)
AM4コンパクト・フロア4¥176,000
VP4コンパクト・フロア(エフェクト専用、アンプ無し)4¥176,000
FM3 MARK II Turboフロア3¥242,000
FM9 MARK II Turboフロア9¥385,000
Axe-Fx III MARK II Turboラック(フットコントローラー別売)—¥484,000

AM4はFM3より6万6千円安い。しかもアルゴリズムはAxe-Fx IIIと同じです。以前は「Fractalに入るならFM3から」でしたが、その入口が一段下に下りてきた形です。

初めてFractalを試す人には、これ一択でいい

FM3やFM9との違いは、主にフットスイッチの数と同時処理できる量です。音の質そのものは同じ系統。つまり「Fractalの音が自分に合うかどうか」を確かめる目的なら、AM4で十分に分かります。合わなければ17万円で済み、合えばそのままメイン機として使えます。

逆に言うと、ライブでたくさんの音色を足で切り替える人、複雑なルーティングを組みたい人は、最初からFM9を見たほうがいいです。AM4は4スイッチなので、プリセット×シーンの組み方に工夫が要ります。

スペックで見る:中身はAxe-Fx III

  • アンプモデル 240種以上 — Axe-Fx IIIと同じモデル群
  • Dyna-Cabs 45種以上 — マイクの位置を動かせるキャビネットシミュレーション
  • エフェクト 325種以上 — 歪み系77種以上、リバーブ79種以上を含む
  • ユーザーIR対応 — UltraRes と標準IRフォーマットを読み込める
  • プリセット104 × シーン4
  • USB-C(4in/4outオーディオインターフェース、MIDI)、S/PDIF入出力
  • MIDI In/Out(3.5mm)、エクスプレッションペダル×2
  • 電源 9V DC 1.5A(アダプター付属)

注目してほしいのは「ユーザーIR対応」です。Dyna-Cabsが45種で足りないと感じたら、外部のIRを読み込めます。ここは後で触れるTONEXとの比較で効いてきます。

TONEX Board と比べる:キャビネットの考え方が違う

同じ価格帯の競合として、IK Multimedia TONEX Board(¥198,000)があります。AM4のほうが2万2千円安い。ただし、この2台はキャビネットに対する考え方がまったく違うので、単純な優劣では語れません。

Fractal AM4TONEX Board
方式モデリング(回路を計算で再現)キャプチャ(実機の音をAIで写し取る)
アンプ240種以上のモデル付属 Tone Model 2,000種(アンプ+キャビ込み)
キャビネットDyna-Cabs 45種以上+ユーザーIRTone Modelに含まれる+ユーザーIR
キャビの自由度マイク位置・距離をあとから動かせるキャプチャした時点の音で固定
エフェクト325種以上76種
エフェクトループなし(VP4と組む想定)ステレオ Send/Return あり
国内価格¥176,000¥198,000

「キャビの種類が少ない」は、半分正しい

私の第一印象は「TONEXと比べると、リアルなキャビネットシミュレーションの種類が少ない」でした。数だけ見ればそのとおりです。TONEXはアンプとキャビをセットで写し取ったTone Modelが2,000種付属し、ToneNETからさらに落とせます。対してAM4のDyna-Cabsは45種。

ただし、Dyna-Cabsは1つのキャビの中でマイクの位置と距離を動かせる仕組みです。TONEXのTone Modelは「あるマイク位置で録った1枚の写真」なのに対して、Dyna-Cabsは「キャビの前に自分でマイクを立てる」感覚に近い。45種でも、1種あたりの表情はTONEXの1モデルよりずっと広いです。そしてどちらもユーザーIRを読めるので、最終的な選択肢の幅はほぼ並びます。

どっちを選ぶか

「この実機のこの音」を欲しい人はTONEX、「自分でアンプとキャビを組んで音を作りたい人」はAM4。TONEXは写真、Fractalは絵の具、という違いです。エフェクトの数と質はAM4が圧倒的なので、1台で完結させたいならAM4のほうが向いています。逆に、TONEX Boardにはエフェクトループがあり、AM4にはありません。外部ペダルを挟みたい人はここも見てください。

海外の評価と、指摘されている点

海外では「世界クラスのモデリングが700ドル以下でペダルボードに載る」という受け止め方が主流で、MusicRadarも「プロのステージで通用する音の幅と堅牢さ」と評価しています。

一方で、「FM3を待ったほうがいい」という意見も一定数あります。4スイッチでは足りない、同時に使えるブロック数に制限がある、という理由です。ここは使い方次第で、シーンを使いこなせるかどうかで評価が変わります。

  • エフェクトループが無い。外部ペダルを挟むなら別途VP4などが必要
  • 4フットスイッチなので、ライブで多くの音色を足で切り替える用途には向かない
  • Fractalの操作体系は独特で、最初の1週間は設定に時間を取られる(Fractal共通)

この記事は実機未使用の状態で書いています。仕様は公式サイトと国内正規代理店の情報、評価は海外レビューと代理店の公開動画を参照したものです。TONEXについての記述は、TONEX Pedalを実際に使っている経験に基づいています。

こんな人に

AM4がいちばん刺さるのは、「Fractalの音は気になっていたけど、24万円のFM3は踏み切れなかった」という人です。17万円で本物のFractalに入れる。この差は大きい。

もう1つは、自分で音を組み立てるのが好きな人。240のアンプと45のキャビとマイク位置を組み合わせる作業自体を楽しめる人にとって、AM4は長く遊べる機材です。逆に「設定はしたくない、鳴らしてすぐ良い音が欲しい」という人には、キャプチャ方式のTONEXのほうが合います。

結論

Axe-Fx IIIと同じ音を、Fractal史上最安の17万6千円で。初めてFractalを試す人には現状これ一択です。キャビの「数」ではTONEXに負けますが、Dyna-Cabsはマイク位置を動かせる分、1種あたりの幅が広い。エフェクトループが無いので、外部ペダル前提の人は注意。

良かった点

  • Axe-Fx IIIと同じコアアルゴリズム。音の系統は上位機と同じ
  • 現行Fractalで最安・最小。FM3より6万6千円安い
  • アンプ240種以上、エフェクト325種以上と、内容は上位機並み
  • Dyna-Cabsはマイク位置・距離を動かせる。ユーザーIRも読める
  • USB 4in/4outオーディオインターフェース内蔵で宅録にもそのまま使える

気になった点

  • キャビネットの「数」は45種で、TONEXのTone Model 2,000種と比べると少ない
  • エフェクトループが無い。外部ペダルを挟むならVP4などが別途要る
  • 4フットスイッチ。多くの音色を足で切り替える用途には不足
  • Fractal共通の操作体系に慣れるまで時間がかかる

向いている人:初めてFractalを試す人/自分でアンプとキャビを組み立てるのが好きな人/宅録でも使いたい人

向かない人:外部ペダルをループに挟みたい人/ライブで多くの音色を足で切り替える人/設定せずにすぐ良い音が欲しい人(→TONEX)

スペック

国内発売2025年12月24日
国内価格¥176,000(税込)
海外価格$699
アンプモデル240種以上(Axe-Fx III と同じ)
キャビネットDyna-Cabs 45種以上+ユーザーIR(UltraRes/標準IR)
エフェクト325種以上(歪み77種以上、リバーブ79種以上を含む)
プリセット104 × 4シーン
フットスイッチ4(5モード)
入出力1/4" 入力、バランスTRS出力、ヘッドホン、S/PDIF In/Out
USBUSB-C(4in/4out オーディオ、MIDI)
MIDIIn/Out(3.5mm)
エクスプレッションペダル2系統
エフェクトループなし
電源9V DC 1.5A(アダプター付属)
国内代理店オカダインターナショナル

よくある質問

AM4 と FM3 はどちらを買うべきですか?
音の系統は同じなので、初めてFractalを試すならAM4で十分です。FM3はフットスイッチが3つでAM4より少ないものの、同時に処理できる量が多く、価格は6万6千円高くなります。ライブで多くの音色を切り替えたい人はFM9まで視野に入れたほうがいいです。
AM4 と TONEX Board はどちらがいいですか?
方式が違います。AM4はモデリングで、アンプとキャビとマイク位置を自分で組み立てる機材。TONEX Boardはキャプチャで、実機の音をそのまま呼び出す機材です。自分で音を作るのが好きならAM4、すぐに実機の音が欲しいならTONEX。エフェクトの数と質はAM4が上、エフェクトループはTONEX Boardにしかありません。
キャビネットが45種類では少なくないですか?
数だけ見ると少ないですが、Dyna-Cabsはマイクの位置と距離をあとから動かせるので、1種類あたりの音の幅がIRやキャプチャより広くなっています。足りなければユーザーIRも読み込めます。
エフェクトループはありますか?
ありません。外部ペダルを挟みたい場合は、同社のVP4(エフェクト専用機)と組み合わせるか、AM4の前後に直列で繋ぐ形になります。
オーディオインターフェースとして使えますか?
使えます。USB-Cで4in/4outのオーディオインターフェースとして動作し、MIDIもUSB経由で扱えます。

掲載内容について
当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しており、商品リンク経由で購入された場合に紹介料を受け取ることがあります。価格・仕様は2026年9月7日時点で確認した情報です。最新の価格や在庫、詳細な仕様は必ず各販売店・メーカー公式サイトでご確認ください。

↑