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IK Multimedia TONEX Board とは|TONEX Pedalユーザーが見た「Pedal+H90と何が違うのか」

公開:2026年9月2日 更新:2026年9月2日 エフェクターまとめランキング 編集部

この記事は実機未使用です。メーカー公表値と一次情報をまとめた内容で、音の評価は含みません。

IK MultimediaからTONEX Boardが発表されました。国内発売は2026年9月4日、税込198,000円。TONEXのアンプキャプチャに加えて、空間系を含む76種類のエフェクトとSend/Returnを備えた、TONEXシリーズ初の「フロア型マルチ」です。私はTONEX Pedalを作曲用に使っている立場なので、この記事では「Pedalユーザーが買い替える価値があるか」と「Pedal+Eventide H90 という構成と比べてどうか」の2点に絞って整理します。

IK Multimedia TONEX Board

IK Multimedia

TONEX Board

想定価格 ¥198,000(税込)

メーカー公式ページ

TONEX Board は何が変わったのか

TONEX Pedalは「アンプキャプチャ専用機」でした。エフェクトはノイズゲート・EQ・コンプ・リバーブの最低限で、ディレイやモジュレーションは外部ペダル前提。TONEX Boardはそこを全部埋めにきた製品です。

TONEX PedalTONEX Board
Tone Model 同時使用1最大4(デュアルシグナルパス)
エフェクトゲート・EQ・コンプ・リバーブ76種類(AmpliTube由来51種を追加)
エフェクトループなしステレオ Send/Return(モノ2系統としても使用可)
ディスプレイ小型モノクロ5インチ カラータッチスクリーン
フットスイッチ34
ノブ56(プッシュ式ロータリー)
付属 Tone Model—2,000種類
MIDIIn / Out対応
国内価格(税込)¥79,200¥198,000

Pedalユーザーとして一番大きいのは Send/Return

TONEX Pedalのレビューで、私は「センド/リターンが無いのが最大の弱点」と書きました。Boardはそこが解消されています。ステレオのSend/Returnを、2系統のモノSend/Returnとして使えるのもポイントで、歪みの前後に別々のペダルを挟むような組み方ができます。

つまりBoardは「Pedalの音をそのまま、ボードの真ん中に置ける機材にした」という位置づけです。Pedalで感じた不便のほとんどは、Boardなら起きません。

価格をどう見るか:ハイエンドと比べると安い

198,000円という数字だけ見ると高く感じますが、同じ「フロア型のアンプモデラー」で比べると、むしろ下のほうです。

製品国内価格(税込・目安)備考
TONEX Board¥198,0002026年9月4日発売
Fractal Audio AM4¥176,000Axe-Fx IIIと同じアルゴリズム。別記事で比較
Kemper Profiler Stage¥275,000前後プロファイリング機の定番
Neural DSP Quad Cortex¥279,000前後当サイトのマルチランキング4位
Fractal Axe-Fx IIIさらに高価ラック型・フットコントローラー別売
Line 6 Helix Stadium海外で$2,000超2025年発表のフラッグシップ

海外の反応も同じで、Guitar Worldは「同クラスの競合と比べて競争力のある価格」と評価しています。Quad Cortex mini($1,399)より安く、Helix Stadium($2,000超)の半額です。KemperやAxe-Fxを検討していた人にとっては、明確に「安い選択肢」になります。

価格はいずれも2026年9月時点で確認した国内実売の目安です。為替と在庫で頻繁に変わるため、購入前に必ず販売店でご確認ください。

本当の比較相手は「TONEX Pedal + Eventide H90」

ここからが私が一番気になっていた話です。TONEX Pedalを使っていると、空間系で本気を出したくなったときに結局 Eventide H90 が欲しくなる。だとすると比較すべきは、KemperでもQuad Cortexでもなく、「Pedal+H90」という組み合わせのはずです。

値段はほとんど変わらない

構成税込合計Boardとの差
TONEX Board 単体¥198,000—
TONEX Pedal(¥79,200)+ H90(¥158,400)¥237,600Boardのほうが約4万円安い
TONEX One(¥37,400)+ H90(¥158,400)¥195,800ほぼ同額
TONEX One セール時(¥25,300)+ H90¥183,700こちらが約1.4万円安い

正直に言うと、私は最初「Pedal+H90のほうが安いのでは」と思っていました。計算したら逆でした。Pedal+H90はBoardより4万円ほど高い。TONEX Oneに落とせばほぼ同額になりますが、Oneはプリセット数と操作系がPedalとは別物なので、単純な置き換えにはなりません。

だから論点は「値段」ではなく「エフェクトの質」

値段が変わらないなら、分かれ目は1つです。Boardに内蔵された76エフェクトが、H90の代わりになるかどうか。

ここは正直に、Boardに不利な材料があります。gearnewsのレビューでは、もともとのTONEX Pedalの内蔵エフェクトは「当たり外れが大きい」と評価されており、BoardはAmpliTubeから51種類を持ち込むことでそこを改善しようとしている、という書き方をされています。つまりBoardのエフェクトは「AmpliTubeのプラグインの音」であって、H90のような空間系専用機と同じ土俵ではありません。

H90はリバーブ・ディレイ・ピッチ・モジュレーションに特化した専用機で、その音を求めて15万円出す人がいる機材です。Boardの76エフェクトが「十分」なのか「H90の代わりにはならない」のかは、実機を触った人の評価を待つ必要があります。

私の現時点の見方

「空間系にこだわりがあるならPedal+H90、1台で完結させたいならBoard」という分かれ方になると思っています。値段が同じなら、H90の音を知っている人ほどBoardのエフェクトに厳しくなるはずです。逆に、H90を買うほど空間系にこだわらない人にとっては、Boardの1台完結は大きな魅力です。

海外で指摘されている懸念点

発表直後の海外メディアとユーザーの反応から、懸念として挙がっている点をまとめます。

  • Wi-Fi / Bluetooth が無い。ToneNET(Tone Modelの共有サービス)への接続にはPCが必要
  • アップデートの遅さ。IK Multimediaの過去数年のアップデート方針は、Line 6などの競合と比べて緩いという指摘
  • Pedalの約4倍の価格。「機能は増えたが、Pedal2台分よりは汎用性が高い、という程度の差なのか」という声
  • キャプチャ精度への疑問。一部ユーザーから、他方式のキャプチャと比べて劣るのではないかという意見(ただし発売前の段階での指摘)

Wi-Fiが無い点は、Pedalユーザーの私からすると「Pedalと同じ」なので驚きはありませんが、20万円の機材としては物足りなく感じる人もいると思います。

TONEX Pedalユーザーは買い替えるべきか

私自身の結論は「今すぐは買い替えない」です。理由は3つあります。

  1. 作曲用途ならPedalで足りている。エフェクトループが無いことも、DAW側でエフェクトをかければ問題にならない
  2. Boardの内蔵エフェクトの評価がまだ出ていない。ここが「H90の代わりになる」レベルなら考え直す
  3. ライブで使う予定がない。Boardの価値はライブでの1台完結にあるので、その用途が無い人にとっては割高

逆に言えば、ライブで使いたくて、外部ペダルを減らしたくて、KemperやQuad Cortexは高いと感じていた人には、かなり真っ直ぐ刺さる製品です。Pedalの音に満足しているなら、その音のまま1台完結できる選択肢が20万円で出てきた、という見方ができます。

この記事は実機未使用の状態で書いています。仕様と価格は公式発表と販売店の情報、評価は海外メディアのレビューを参照したものです。TONEX Pedalについての記述は実際に使っている経験に基づいています。試奏する機会があれば追記します。

結論

TONEX Pedalの弱点(エフェクトループ無し・エフェクトが最低限)を全部埋めてきた1台。KemperやQuad Cortexと比べれば明確に安い。ただし「Pedal+H90」と値段がほぼ同じなので、内蔵エフェクトがH90の代わりになるかどうかが分かれ目です。

良かった点

  • ステレオSend/Returnを搭載。Pedalの最大の弱点が解消
  • 76エフェクト内蔵で、空間系も1台で完結できる
  • Tone Modelを最大4つ同時使用できるデュアルシグナルパス
  • 5インチのカラータッチスクリーンで、Pedalのディスプレイ問題も解消
  • Kemper Stage・Quad Cortexより約8万円安い

気になった点

  • Pedal+H90と値段が変わらないため、空間系にこだわる人には決め手に欠ける
  • 内蔵エフェクトの質は未評価。Pedalの内蔵エフェクトは「当たり外れが大きい」と言われていた
  • Wi-Fi / Bluetooth非搭載。ToneNET接続にはPCが必要
  • TONEX Pedalの約2.5倍の価格。作曲用途だけならPedalで足りる

向いている人:ライブで1台完結させたい人/KemperやQuad Cortexは高いと感じていた人/Pedalのエフェクトループ無しに困っていた人

向かない人:作曲・宅録が中心の人(Pedalで足りる)/空間系はH90クラスが必要な人/Wi-Fi連携を重視する人

スペック

国内発売日2026年9月4日
国内価格¥198,000(税込)
海外価格$999.99 / €1,099
ディスプレイ5インチ カラータッチスクリーン
Tone Model付属2,000種類/最大4つ同時使用
エフェクト76種類(うち51種はAmpliTube由来)/12スロット
シグナルパスデュアル(パラレル/ステレオ/ウェット・ドライ対応)
エフェクトループステレオ Send/Return(モノ2系統として使用可)
フットスイッチ4
コントロールプッシュ式ロータリー × 6
演奏モードプリセット/シーン/ストンプ
MIDI対応
エクスプレッションペダル対応
ワイヤレスWi-Fi / Bluetooth 非搭載

よくある質問

TONEX Board と TONEX Pedal の一番大きな違いは何ですか?
エフェクトループ(Send/Return)の有無と、内蔵エフェクトの数です。Pedalはエフェクトループが無く内蔵エフェクトも最低限でしたが、BoardはステレオSend/Returnと76種類のエフェクトを備えています。Tone Modelを最大4つ同時に使えるデュアルシグナルパスも追加されました。
TONEX Pedal を持っていますが、買い替える価値はありますか?
ライブで1台完結させたいなら価値があります。作曲・宅録が中心で、エフェクトはDAW側でかけているなら、Pedalのままで足りる可能性が高いです。内蔵エフェクトの評価が出そろってから判断しても遅くありません。
TONEX Pedal と Eventide H90 を買うのと、どちらが安いですか?
2026年9月時点の国内価格では、TONEX Pedal(¥79,200)+H90(¥158,400)=¥237,600に対して、TONEX Boardは¥198,000です。Boardのほうが約4万円安くなります。TONEX Oneに置き換えるとほぼ同額です。
Kemper や Axe-Fx と比べてどうですか?
価格はTONEX Boardのほうが明確に安く、Kemper Profiler Stage(¥275,000前後)より約8万円安い水準です。音の方向性はキャプチャ方式という点で共通していますが、キャプチャ精度や内蔵エフェクトの質については、発売後の実機評価を待つ必要があります。
Wi-Fi や Bluetooth はありますか?
ありません。ToneNET(Tone Modelの共有サービス)を使うにはPCとの接続が必要です。この点は海外でも懸念として挙げられています。

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